新型コロナウイルスの感染拡大を経た今、企業がコスト削減と生産性向上の新しい方法を模索する際に、給与計算を無視する余裕はもはやありません。CIO Diveが最近行った調査によれば、「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、意思決定層の66%がコストの最適化に注力するようになった一方で、34%は業務の効率化を優先課題としました」。[1]

こうした面で給与計算が主要な推進要因になるのは意外かもしれませんが、給与計算が単なるバックオフィス業務だった時代は終わりました。先見性のある企業では給与計算がますます中枢を占めるようになっており、人事、IT、財務などの重要な部門が統合されつつあります。こうした給与計算の新しい戦略的部門に対する答えは、強力なクラウドベースの給与計算ソフトウェアを活用したソリューションの中にあるのです。企業は、手作業の管理業務の自動化、紙ベースのタスクのデジタル化、労働力データの一元化により、コストを削減できるようになりました。

給与計算ソフトウェアの仕組み

クラウドベースの給与計算ソフトウェアは、手作業で行っていた頃はミスが生じやすく、反復的で多くの時間を要していた管理業務を自動化・合理化し、給与計算の業務負担を取り除くものです。これにより人事チームは日常的な問い合わせ対応から解放され、従業員を惹きつけて貢献意欲を持続させるなど、より戦略的な取り組みに集中できるようになります。

クラウドベースの給与計算ソフトウェアの中でも理想的なのは、給与計算を社内の人事システムと簡単に統合してすべての労働力データを完全に可視化することで業務を円滑化し、給与計算プロセスのコスト効率を高めるものです。例えばADPの給与計算ソフトウェアなら、会社に代わって税金を控除し、コンプライアンスを常に維持できるようサポートします。従業員は携帯電話で給与明細にアクセスしたり、個人情報をオンラインで更新したりできるようになります。

給与計算ソフトウェアのメリット

クラウドベースのソフトウェアで給与計算を自動化すると、ビジネスにとって多くの利点があります。利点の例を紹介します。

  • コンプライアンスや税金関連の法律による負担を軽減
  • 給与計算と人事を統合し、管理業務プロセスを合理化
  • 一元化されたソリューションで従業員エクスペリエンスを改善
  • 単一のシームレスなデータとワークフローのプロセスでシステムコストを削減

多くの企業が相変わらずオンプレミスのソフトウェアを使って苦労している中、クラウドベースの給与計算ソフトウェアは魅力的です。

ビジネスにクラウドベースの給与計算ソフトウェアが必要とされる理由

オンプレミスの給与計算は継続的にコストがかさむため、多くの企業にとってはもはや高額すぎて現実的ではありません。過酷なパンデミックを潜り抜けた組織の場合は特に顕著です。パンデミックは経済に大打撃を与えただけでなく、多くの給与計算システムが長いこと十分な投資が行われないまま見過ごされており、目的に合っていないことを浮き彫りにしました。平均的な多国籍企業では32種類の給与計算システムが使用されていることからもその実態が伺えますが、結果として高い人件費、システムの複雑さ、統合の欠如につながっています。[2]

一方、オンプレミスからクラウドベースの給与計算ソフトウェアに移行した企業の場合、初期投資はかかるものの平均で15~35%の経費を削減できています。[3] ADPからの委託でForrester Consultingが最近行った調査によれば、ADP Global Payrollソフトウェアへの移行による総合的な経済的影響を評価したところ、投資利益率(ROI)は134%で、12か月で資本回収できていました。[4]

給与計算ソフトウェアでコストを削減する3つの方法

仮に、クラウドベースの給与計算ソフトウェアへの投資を決断したとしましょう。ADPは最近の給与計算の変革に関するガイドを調べ、給与計算を最適化し、コストを削減する3つのステップを特定しました。[5]

フェーズ1 - 最適化

フェーズ2 - 可視化

フェーズ3 – アジリティ

コストの非効率性を排除し、給与計算ソリューションを簡素化する方法を模索します。

変革によって給与計算に紐づいたデータを組織内で共有し、コラボレーションと意思決定を促進します。

給与計算ソリューションに柔軟性をもたらし、新しい働き方に適応できるようにします。

長期的には複雑さを低減。

支出全体の可視化。

コアビジネスの柔軟性。

プロセスの簡素化と最新化。

戦略的なキャッシュマネジメント。

現地でコンプライアンスを維持しながら、グローバルリスクを低減。

チームの生産性の向上。

正確なモデリング、予測、レポーティング。

従業員全員への継続的な支払い。

コスト効率の大幅な改善。

有益な洞察の促進。

ビジネスや規制への対応。

組織の給与計算コストを削減する方法

給与計算の変革に着手するにあたり、どこから始めれば良いか見当もつかないと感じるかもしれません。しかし、次のような目的に優先順位を付けることで、ビジネスの業務面と財務面でのメリットが見えてくるはずです。

  • 時間のかかるタスクの自動化 – 給与計算ソフトウェアのソリューションによって、スタッフやマネージャーが感じる管理業務の負担を軽減できたらどうでしょう。人工知能(AI)や機械学習のおかげで、データ収集、時間管理、欠勤管理、スケジュール設定など、幅広い給与計算や人事の業務を簡単に自動化できるようになりました。自動化すればリアルタイムでレポーティング、分析、予測が可能になるため、ビジネスリーダーたちは労働力に関する洞察にアクセスし、スタッフの管理に役立てることができます。
  • 紙ベースのタスクのデジタル化 – ある会社では給与計算チームが40%の時間をオフラインで[6]、書類のスキャンや印刷に費やしていることがわかりました。これらのプロセスをデジタル化すれば、紙の書類の保管や保全に関わるコストを削減できます。給与計算システムへの機能の追加 – 費用の償還、有給休暇などのポリシーを給与計算システムと統合すれば、個々のシステムを管理する必要がなくなり、チームの貴重な時間を節約できます。
  • 給与計算システムへの機能の追加 – 費用の償還、有給休暇などのポリシーを給与計算システムと統合すれば、個々のシステムを管理する必要がなくなり、チームの貴重な時間を節約できます。
  • レポーティングと分析の統合 – 複数の業者を使うのではなく、クラウドベースの給与計算ソフトウェアを使えば、事業を展開するすべての地域で給与計算に関する支出を、信頼性の高い統合ビューに表示できます。表示を一元化することは、労働力パターンへの洞察を得るために不可欠であり、レポーティングや分析、より戦略的な意思決定のサポートのためにも重要です。[7]

統合のメリット

給与計算プラットフォームを統合すれば、ビジネス全体のコストの可視性が高まるだけではありません。トレンドや洞察を踏まえて行動できるようになるため、給与計算が戦略的洞察のソースに変わるのです。さらに、データを1か所に統合することで、使っていないソフトウエアの料金を払う必要がなくなります。[8]

他にも、コスト削減のために統合するメリットは数多くあります。[9]

システムを簡素化してコンプライアンスを確保し、収益を改善する

  • 時間とお金を節約する
  • コストを削減し、複数のサービスを使用する煩雑さを低減する
  • コストを抑えてコントロールを維持する
  • モニタリングとデータ取得を簡素化する
  • より使いやすい、最新のレポートに投資する
  • 給与計算に関する規制の変更を把握し、ペナルティによるコストを回避する

プロセスを強化して業務の柔軟性を高め、支出を最適化する

  • リソースをより効果的に管理する
  • データ共有のためのオープンなプラットフォームにアプリケーションを追加し、給与計算と人事に関する洞察を得る
  • 必要に応じて規模を拡大・縮小する
  • 戦略的なコスト管理を改善する
  • 労働力コストを削減し、管理業務を簡素化する
  • 全体を可視化して過剰な支出を把握し、コンプライアンスリスクを低減する

収益性の向上と意思決定の改善のため、業務を拡大または縮小する

  • 成長の機会を活用する
  • コストと業績の最適化により、財務面の柔軟性を高める
  • 必要に応じて従業員の業務を拡大または縮小する
  • より良い情報に基づき、より良い決定をする
  • 給与計算と労働力の両方を(国内外を問わず)完全に可視化する
  • 労働力ニーズと潜在的な問題への理解を深める

評価の高い給与計算ソフトウェア業者に尋ねるべき質問

手作業あるいはオンプレミスの給与計算システムからクラウドベースの給与計算ソフトウェアに移行するにあたって、考えるべき問題は確かにたくさんあります。重要なのは、慌てて飛び込まずに十分なリサーチ、計画、準備をすることです。まずはサードパーティベンダーに尋ねる質問のリストを作り、社内のすべての関係者がリスト作成に関わるようにしましょう。

質問の例は次のとおりです。チーム内でITリテラシーのレベルに差があっても、メンバーは給与計算ソフトウェアを簡単に操作できるか?規制義務に準拠しているか?ソフトウェアを使用することで、ビジネスは変更に常時対応できるか?導入の前後と導入の最中、エキスパートのサポートをどれくらい容易に受けられるか?

適切な給与計算業者はこうした重要な変革に際して戦略的パートナーとなるため、慎重に検討しなければなりません。

ADPは、70年以上にわたって給与計算ソフトウェアのイノベーションを起こしてきました。給与計算のマネージドサービスのアウトソーシングを通じて、お客様のビジネスの規模を問わず、業務の合理化やコストの削減をサポートしています。給与計算コストを削減する方法や、給与計算ソフトウェアのすべてのメリットを知りたい方は、ぜひご連絡ください

 

[1] CIO Dive:「The business technology priorities of 2020(2020年のビジネステクノロジーの優先課題)」。

[2] 「ADP Global HCM Decision Makers’ Research(ADPのグローバルHCM意思決定層調査)」、2017年。

[3] 「ADP Payroll Unplugged」。

[4] Forrester Consulting、「ADP Global PayrollのTotal Economic Impact(総経済効果)™(TEI)調査」、2020年10月。

[5] ADP、『給与計算の新たな展望:IT Decision-makers’ ebook(IT意思決定層の電子ブック)』、2021年。

[6] Protiviti、「Remedying complex payroll structure(複雑な給与計算構造の改善策)」。

[7] ADP、『Optimising Payroll ebook(給与計算最適化の電子ブック)』、2021年。

[8] ADP、『Optimising Payroll ebook(給与計算最適化の電子ブック)』、2021年。

[9] ADP、「Take a new look at pay and people, together(給与計算と従業員の新たな展望):Good things happen when you bring payroll and HR together(給与計算と人事の統合で素晴らしい未来を創ろう)」、2021年。