給与計算サービス業者を選ぶときの注意点

給与計算サービス業者をお探しなら、給与計算を信頼できるサードパーティにアウトソーシングするという大きな決断をされたことでしょう。給与計算と人事はビジネスのあらゆる領域に影響を与えるため、さまざまな判断に役立つ便利なガイドを作成しました。どのようなタイプの給与計算のマネージドサービスモデルを選ぶにせよ、お客様の予算に最適な給与計算サービス業者を見つけることが重要です。会社の短期的・長期的な目的を明確にし、ベンダーに尋ねるべき点をまとめた厳正なチェックリストを作りましょう。適切な給与計算サービス業者であれば、近い将来のビジネスパートナーとなります。そのため、自社が求めるもの、目指すものが明確であるほど、採用と導入がスムーズになり、業者のテクノロジーで自社の戦略的成長をサポートしやすくなるでしょう。

給与計算サービス業者とは？

給与計算サービス業者とは、会社が社内で給与計算を行うストレスや費用を負いたくないときに利用する、外部の業者です。給与計算のマネージドサービスをどのような形で提供するかによりますが、外部の業者はスタッフの給与を計算し、必要なすべての控除を行い、最新の規制への準拠や関係当局への申告をサポートします。

選択肢の1つは、フルマネージド型の給与計算サービスです。会社が給与計算の管理全体を外部の業者に委託する場合は、これを選ぶことになります。フルサービスの給与計算業者であれば、会社の規模、ビジネスの複雑さ、具体的な要件、業界に応じて、給与計算と人事管理のソリューションを一括したスイートで提供できます。

自社の目標達成に向けて給与計算サービス業者は役に立つか？

ビジネスで達成したいことは何でしょうか？おそらく、給与計算と人事のデータの可視性を高めることが必要でしょう。あるいは正確性と適時性に優れ、より一貫性のある合理化された給与計算サービスを求めているのではないでしょうか。多国籍企業であれば、1つの記録システムを提供してくれるグローバルな給与計算サービスが必要かもしれません。労働力データの分析を深堀りし、結果に応じて戦略の方向転換を図るためです。明快なビジョンがあり、テクノロジーでそれを達成する道筋が明確であるほど、採用と導入に向けたプランを効果的に立てることができます。

固有のニーズにおける要因

組織が給与計算業者に本当に求めるものを明らかにすれば、どのモデルを選ぶかも決まるはずです。必要なのは、ADPのようなエキスパートの業者によって給与計算が正確かつ期日どおりに行われ、税金と控除額が計算され、給与明細が発行されるマネージドサービスではないでしょうか？グローバルなビジネスを展開している会社、あるいは従業員によって給与に関する要望や人的資本管理（HCM）のニーズが異なる会社の場合、マネージドサービスか、給与計算の包括的アウトソーシングサービスと呼ばれているフルアウトソーシングモデルのどちらかを選ぶことができます。フルアウトソーシングはベンダーが給与計算のあらゆる面に対処するだけでなく、専用のコールセンターを設け、従業員の給与計算に関するすべてのニーズをサポートします。適切なベンダーであれば、ビジネスが常にコンプライアンスを維持し、地域と国レベルのすべてのガイドラインを把握できるよう支援してくれるでしょう。ここで重要なのは、チームがどの程度のコントロールを業者に委ねたいと思うか、文化的な面から評価することです。そのため、ベンダーに対するデューデリジェンスは必須です。

従業員データのセキュリティとプライバシーが優先課題に

改正個人情報保護法, GDPRの施行と新型コロナウイルスの流行を経て、スタッフデータのセキュリティとプライバシーの確保がビジネスの成功に不可欠になりました。自社が選ぶベンダーも、これを最優先課題の1つとして認識していなければなりません。会社のデータがどのように保存、転送、バックアップされるのか、業者に聞いてみましょう。詐欺やビジネスレジリエンスに関するポリシーを確認し、細かい文字で書かれた規約も読んでおいてください。セキュリティ侵害の中でも、フィッシング攻撃は特に増えています（2017年の72％から2021年は83％に増加）。[1]2021年のサイバーセキュリティ侵害調査によると、侵害や攻撃を報告した会社は39％を占め、そのうち5社に1社（21％）は資金やデータなどの資産を失いました。[2]すべてのサイバーセキュリティ侵害で生じたコストの平均は、過去12か月で8,460ポンドと推計されています。[3]

堅牢な導入モデルを確立する

自社が選んだベンダーは当然、自社が求める中核機能を備えているはずです。給与計算業者へのアウトソーシングに関して次にチェックすべきポイントは、優れた導入実績があること、そして給与計算をすばやく効率的に稼働させるプランが存在することです。その業者は、スタッフがすべてを円滑に行えるようサポートしてくれますか？効果的な変更管理戦略を持っていますか？また、組織内にエグゼクティブスポンサーや、新しいテクノロジーを導入するのに役立つアンバサダーのネットワークが存在しますか？

早期に採用のプランを立てる

社内には変化を歓迎しない人もいるため、そのためのプランを立てることが必要です。早期に準備を始め、従業員だけでなく、システムやデータの準備も整える必要があります。関係者にソリューションの購入を納得させることは、初期段階の成否を左右します。変更管理、透明性のあるコミュニケーション、トレーニングを通じて、あらゆるレベルの従業員の移行を促進しましょう。この重要な採用段階における経験があるベンダーを選んでください。

適切なサービスプランを選ぶ

新しい給与計算と人事のソリューションの質は、その背後にあるサポートモデルによって決まります。現行のカスタマーサポートのレベルが、ニーズに見合っていることを確認してください。適切な業者であれば、お客様の予算や要件変更に合わせて調整できる、スケーラブルな保護施策を提供するはずです。必ずサービス契約を精査し、不明な点は何でも質問するようにしてください。給与計算とコンプライアンスに関する専門知識を持った、専任のサービスチームがプランに含まれていますか？戦略的アドバイザーと連絡を取ったり、ベンダーのクライアントネットワークを通じてベストプラクティスを共有してもらったりすることはできますか？

データを活用して競争優位性を得る

スタッフのスケジュール設定を改善したい場合であれ、競争力のある報酬パッケージで優秀な人材を惹きつけたい場合であれ、ビジネスにおけるデータ分析の重要性はますます高まっています。データ分析要件の評価を支援し、成長につながる洞察を提供してくれるベンダーをチェックリストに加えてください。一元化されたデータセットを得られるか、分析を設定して洞察をカスタマイズできるか確認しましょう。また、予測に役立てられるよう業界全体のデータにアクセスして、ベンチマーキングや予測分析を活用することも重要です。

ベンダーの実績と今後の展望を評価する

大企業レベルでは、要件の変更に対応できるテクノロジーとサービスモデルを持ち、実績のあるベンダーを検討する必要があります。少なくとも、イノベーションを重視して投資を行い、今後のビジネス上の課題に対応するためのソリューションを絶えず模索している給与計算サービス業者を選んでください。

従業員戦略を策定する

給与計算と人事のシステムを自動化・統合する際の重要なポイントは、「普段のやり方」を続けるのではなく、業務を合理化し、効率性を改善し、スタッフの貢献意欲を高め、コストを削減できる領域を明らかにすることです。新しい給与計算サービス業者が、従業員のライフサイクルの全段階を通してサポートしてくれるか確認しましょう。給与計算と人事のチームがパフォーマンスを最大限に高め、採用活動を強化し、ビジネス全体の支出を可視化できるよう、ツールと戦略を提供するソリューションが適切です。

「単なる」給与計算ではない

新型コロナウイルスの感染拡大により、寄せ集めの給与計算と人事のシステムが急激な変化に直面した際、いかに脆弱かがあらわになりました。最近の調査からは、パンデミックを経て意思決定層の66％がコストの最適化に注力するようになった一方で、34％は業務の効率化を優先課題としていることが明らかになっています。[4]かつての給与計算はバックオフィス業務だったかもしれませんが、最近は先見性のある会社で中枢を占めるようになりました。デジタルテクノロジーと合わせて、戦略的優位性をもたらす場合もあります。

候補となる給与計算サービス業者に尋ねるべき質問

選択した給与計算ソフトウェアはクラウドで利用可能か？
選択した給与計算業者は
- 導入をサポートしてくれるか？
選択した給与計算ソフトウェアは
- 高度なセキュリティ機能を有しているか？
- プロセスの自動化など、高度な機能を提供してくれるか？
選択した給与計算ソリューションは
- HCMソフトウェアと統合できるか？
- デジタルトランスフォーメーションの取り組みに役立つか？
- 事業の継続性計画を策定できるか？
これらの答えがすべて「イエス」なら、選択した給与計算ソリューションは、給与計算プロセスを変革し、ITの優先課題に対応するための機能をすべて備えていることになります。[5]