給与計算サービス業者とは、他の会社に代わって給与計算のあらゆる面を支援または肩代わりする会社のことです。時間の価値を重視し、従業員の給与と税金を正確かつ期日どおりに支払いたい雇用主にとって、給与計算業者の利用は多くの場合でメリットがあります。ビジネスオーナーが高額な追徴税を回避したければ、給与計算サービス業者の力を借りることで節約できるかもしれません。

給与計算業者は何をするのか?

一般的に給与計算サービス業者は、基本的な給与計算業務を行うだけではありません。ほとんどの業者はテクノロジーを活用し、雇用主にとって負担の大きい管理タスクを最小化して、従業員にとって魅力的なエクスペリエンスを生み出します。給与計算業者の中核となる能力は、次のようなものです。

自動的な給与計算処理

賃金の計算と従業員への支払いにかかる時間は、プロセスを自動化すれば大幅に削減できます。ADP Payrollソフトウェアなら、柔軟な支払いオプションが利用可能です。

源泉徴収と給与の差し押さえ

"給与計算システムを自動化すれば、従業員の 固定給やボーナスからすべての税金や社会保険などを正確かつ確実に控除し、期日どおりに支払いを行えます。"

税申告サービス

フルサービスを提供する給与計算業者の中には、 クライアントに代わって税金や社会保険を調整してくれる会社もあります。また、年末調整を支援してくれる場合もあります。

コンプライアンスの専門知識

給与計算業者はたいてい規制上の変更の最新情報を把握しており、クライアントのビジネスに影響する賃金や税金の法改正について通知してくれます。さらに、クラウドベースの給与計算システムには、リアルタイムでコンプライアンスの最新情報を反映するものもあります。

給与計算のレポート

雇用主は通常、支払われた固定給とボーナス、控除された税金、労働時間など、給与計算オペレーションのすべての領域をカバーする詳細なレポートを作成できます。

従業員セルフサービス

セルフサービスのオプションを利用すると、従業員が管理者の手を借りることなく、自身の給与明細の確認、源泉徴収の情報更新、個人情報の変更を行えます。

製品サポート

定評のある給与計算業者は、専門知識を持つスペシャリストがクライアントの質問に速やかに答えてくれることがほとんどです。電話やオンラインチャットで24時間サポートを受けられる場合もあります。

給与計算を他のソフトウェアやビジネスプロセスと統合する

給与計算は変動する部分が多いため、すべてを一致させるには給与計算サービス業者と提携するのが一番です。必要な関連機能を統合すれば、データ入力の重複を防ぎ、時間を節約し、ミスを減らすことができます。一般的に給与計算は、次のソフトウェアやビジネスプロセスと互換性があります。

社会保険と従業員の福利厚生

社会保険と従業員の福利厚生 (確定拠出型退職年金制度など)は給与計算システムで控除できます。

人事

給与計算に影響する新しいポリシーや改訂されたポリシーはリアルタイムで更新され、コンプライアンス対応に役立てられます。

従業員への報酬

時間外勤務や休日出勤の手当は、実際の給与計算金額に基づいて計算されます。

勤務時間と勤怠の管理

固定給の計算は、給与計算ソースから直接送信された勤怠管理データに基づいて行われます。

支出と予算

会計ソフトウェアと統合すれば、給与計算に全体的な収益が表示されます。

販売時点情報管理(POS)デバイス

雇用主は給与計算コストと製品またはサービスの売上高を比較できます。

業務コスト

マネージャーは、給与計算と比較してビジネスにとって最も収益性が高い仕事を確認できます。

ビジネスマネジメント

会社でワークフローを活用していれば、特定のプロジェクトの給与計算コストを追跡できます。

雇用主はどのように給与計算業者を選ぶか?

給与計算サービスを利用する前に、雇用主は業者が必要なサービスをすべて提供してくれるか確認することが不可欠です。導入の決定にあたり、次のような点に配慮する必要があります。

  1. 給与計算に関する現在の課題をリスト化する
    ある雇用主が税務コンプライアンスに悪戦苦闘している一方で、別の雇用主は必要な計算を行うのに苦労していたり、給与計算について十分な知識を備えていなかったりします。
  2. 互換性を確認する
    会計ソフトを使って給与計算を管理しているビジネスオーナーは、データをシームレスに送信できるよう、業者が特定のプログラムと統合できるのか尋ねた方が良いかもしれません。
  3. カスタマーサポートについて尋ねる
    給与計算に問題が生じた場合、回答や解決策が得られるまで数日かかるようではいけません。信頼できるサポートサービスを提供してくれる業者を探しましょう。
  4. どれくらいの時間が節約できるか見極める
    給与計算業者を利用すれば、手作業で行うプロセスと比べて多くの時間を節約できますが、節約できる時間は雇用主がどの程度のコントロールを求めるかによって変わります。
  5. いつ移行を始められるか確認する
    給与計算サポートを切実に求めている雇用主にとっては、次の四半期あるいは年度まで始められない業者より、いつでも始められる業者の方が望ましいかもしれません。
  6. コストの見積もりを取る
    業者によって価格体系は異なりますが、ほとんどの業者は従業員数や給与計算の頻度に基づいてコストの見積もりを提供してくれるでしょう。
  7. ベンダーの評判を調べる
    その他の面で同等の業者が2社ある場合には、顧客のレビューや独立した分析レポートが役立ちます。

給与計算業者を切り替える

市場にある給与計算サービスに対してデューデリジェンスや徹底的な評価を行っても、判断を誤る可能性はあります。給与計算に費やす時間が長すぎたり、サポートのレベルに不満があったりする雇用主は、業者の切り替えを検討した方が良いでしょう。とはいえ、業者を変えても既存の業務への影響は最小限に抑えられますのでご安心ください。

では、別の給与計算サービスに切り替えるのに最適なタイミングはいつでしょうか?

多くの雇用主は、新年度の初めに給与計算業者を切り替えるのが一番簡単だと思っていますが、必ずしもそうとは限りません。特に評判の良い給与計算業者の中には、1年のうちいつでも切り替えに対応できる会社もあります。不可欠な事業部門から時間やリソースを過剰に奪うこともありません。

給与計算サービス移行チェックリスト

契約を交わすと、通常は新しい給与計算業者の導入チームが移行と設定のプロセスについてガイダンスを行います。次のチェックリストは、雇用主がこの期間に行うことの概要を示しています。

  1. 給与計算データの準備
    すべての従業員、給与計算、税金、ビジネスそのものについて詳細な情報を提供する必要があります。賃金台帳、扶養状況、納税状況、マイナンバーカードなどの情報を含む、必要な文書の例
  2. 給与計算の点検
    最初の給与計算に先立ち、新しい業者はデジタルオンボーディングプロセスを行う場合があります。その間にクライアントはすべての銀行、従業員、社会保険、税金の情報が正確か確認します。
  3. 以前の給与計算や税金に関するサービスの解約
    新しい業者が最初の給与計算を問題なく完了したら、以前の給与計算業者や、納税を委託していた会社との契約を打ち切り、二重払いを防ぐことができます。

給与計算サービス業者に関するよくある質問

給与計算業者にはどのようなタイプがありますか?

給与計算の処理に関して、ビジネスオーナーは次のようなタイプの業者から選ぶことができます。

  • 給与計算ソフトウェアのプロバイダー
    オンラインソフトウェアで給与計算を自動化し、計算を簡素化して結果の正確性を高めます。パッケージ、税金、社会保険、コンプライアンスについては、引き続きビジネスオーナーが担当する場合があります。
  • フルサービスの給与計算業者
    このオプションを選ぶと、業者が給与計算のあらゆる面をクライアントに代わって処理するため、雇用主は時間と安心感を得られます。
  • 社会保険労務士
    企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、社会保険労務士の業務の内容は広範囲にわたります。社会保険、労働保険の手続きについての相談や、行政機関に提出する書類の作成や提出の代行は、社会保険労務士の独占業務です。 中には給与計算アウトソーシングを提供している社会保険労務士もあります。
  • 人材派遣会社
    人材派遣会社では、派遣した社員がお客様が導入したソフトウェアを使用して給与の計算や関連業務を代行するサービスを提供しています。

給与計算サービス業者はモバイルアプリを提供してくれますか?

はい、多くの給与計算サービスはモバイル機能を備えているため、雇用主はいつでもどのデバイスでも給与計算、タイムカードの作成と管理、納税の確認ができます。セルフサービスアプリもモバイルに対応しているのが一般的で、従業員は外出中でも給与明細の確認、個人情報の更新、源泉徴収の管理が可能です。

給与計算サービスの平均的なコストはどれくらいですか?

給与計算業者の平均的なコストは、ビジネスの規模、給与計算の頻度、必要なサービスの数によって異なります。多くの場合、月次ベースの支払いに加えて従業員ごとの処理手数料がかかります。ADPは、クライアントのニーズがシンプルなものか複雑なものかを問わず、そのビジネスに適したパッケージを判断できるようお手伝いします。

このガイドは、雇用主の給与計算業務を分析する際の出発点としてお使いいただくことを想定したもので、包括的な要件のリソースではありません。このテーマに関する実務的な情報を提示しており、ADPが法律や税金に関する助言などの専門的なサービスを提供するものではないという認識のもとで公開されています。